お茶の名所武夷山の竹筏(いかだ)下りの茶会

中国のお茶所、福建省武夷山で筏(いかだ)くだりのお茶会を楽しみました。筏下りがあると聞いて案内所でチケットを買って、その日の最後の筏に乗ってみたらお茶の振る舞いがついてきたわけです。

3人いる 筏くだりの船頭さんのリーダー

日本の茶の湯は独特な発展を遂げ、それ自体が目的、テーマとなってしまってます。つまり「お茶を飲みながら何かをする。」というのではなく、人を招待してお茶を飲むこと自体が目的なんですね。このような茶会はあちこちにあって中国や台湾の煎茶道、セネガルのお茶接待などがそうでしょう。エチオピアのコーヒー接待などもそうかもしれません。

私の知り合いの「茶の湯マニア」は何にでも抹茶を持ち込みます。神宮球場の巨人阪神戦では茶道具を持って外野席に陣取り、阪神必勝茶会を開くのです。自分の結婚式では新郎新婦が抹茶を点てて飲み交わす儀式を執り行いました。これは茶の湯の可能性の限界に挑む行為と言えるでしょう。

私も以前から中国に煎茶道に似たお茶の飲み方、作法の体系があることは知っていたし、シンガポールや台湾では自ら経験もしました。しかし筏くだりと煎茶を組み合わせるとは、「中国おそるべし」です。

お茶のお点前を見せながら九曲渓を解説するガイドさん

筏で下るのは九曲渓という川で、乗り場は武夷の街中にあります。 私が行った時の九曲渓は流れの幅は狭く水深も少なく、浅い瀬では20㎝くらいと思われるところもありました。

そこを3人の船頭さんが巧みな竿さばきで筏を操ります。直径12㎝ほどの竹を並べてくくりつけた筏なので竹と竹の間から水が吹きあがり、気を付けないと靴を濡らしてしまいます。

九曲渓 は奇岩の風景が連続する名勝

筏のスタッフはガイドさん兼お点前さんが一人、それに船頭一人に助手二人です。船頭は筏の前で方向を決め、二人の助手は船頭に合わせて筏の後尾を浅瀬や岩に当てないように操ります。下は30秒ほどの動画のファイルです。

ガイドさんはヘッドマイクで名勝 九曲渓 の歴史や見どころを解説しながら、手は休むことなくお茶を淹れ続けます。まず一杯いただいて空の湯飲みをテーブルに戻すとまた淹れてくれる。かれこれ10杯ほど飲んだかもしれません。お茶はもちろん緑茶や抹茶ではなく、中国の半発酵茶であるウーロン茶です。

お茶好きの人が福建省に行くなら是非この筏くだりの体験をお勧めします。現在私が考えているのが、茶の湯の新幹線手前と高速道路移動中後部座席手前です。中国人が筏の上で茶会をやるのなら、日本人の私が新幹線の座席や高速道路移動中に茶会をやっていけないという理屈はないでしょうからね。

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