元気を取り戻しつつある奈良県 宇陀の松山

1.衰退しつつある旧市街の復活を宇陀の松山に見る

 6月最初の土日に「宇陀松山薬草発行博覧会」を楽しみました。宇陀松山は文化庁の伝統的建造物群保存地区に指定されている町並みが見どころではあるのですが、旧市街として人口の減少、商業の衰退は歩いてみて明らかです。しかし今回の博覧会は開催側スタッフ、マルシェなどの出店数鵜、各種講座への参加者も大規模で、かつて栄えた城下町の勢いを取り戻すかのような2日間でした。

2.薬草の講座

博覧会では2日間の間に合計18の講座が開かれ、塾長はそのうち3つに参加しまいた。そのうち薬草茶をテーマにしたものが2つ、日本酒をテーマにしたものは1つです。

岸千鶴さん (サロン月桃 代表)

テーマは「生活の中で気軽に漢方茶を楽しむ~自分で選ぶ楽しみ~」

長谷真由美さん (旬薬ZEN  みんカフェ 代表)

テーマは「「薬膳を日常に」古代から現代へ ~薬草を食卓に~」

クレメンツかおりさん (精霊の森 代表)

テーマは「薬草の力をいただく」

この三人の薬草茶講座に参加しました。講義と実際の薬草茶の試飲を組み合わせた楽しいもので、五感で楽しむセミナーになっていました。さらに自分で薬草茶をブレンドしてお土産に持って帰らせてくれたりお得感いっぱいです。

岸千鶴先生

もちろん参加者のほとんどは女性で体調管理、美容の話題も多くありました。いえばこのマーケットは成人女性ということですね。

講義は双方向のやり取りのある方式で、講師から参加者への質問も多く、会場は盛り上がっていました。

教材の薬草

チラシなどを見ると薬草講座は一回あたり4千円見当の連続セミナーも実施されているようで関心の高さがうかがえます。今回の博覧会の講座会場も満席でした。講師はセミナーで説明した薬草などを販売することも出来るので、集客がうまく行けば成功確率が高いでしょう。

長谷真由美先生

解説のあった薬草は自宅内や近所でも見かけるもので、早速薬草茶生活を始めることにしました。とりあえず使えるものは
・梅の砂糖漬けのシロップ
・庭のミントの葉
・庭の山椒の葉
・食べたミカンの皮

薬草セミナーの会場

・ローズマリーの葉
といったところ。気分と期待する薬効に合わせて色々試してみましょう。

現在生活断捨離中なので、家にあるものを増やさずに、薬草茶生活が始められるのがうれし

クレメンツかおり先生

いですね。これまで仕事で縁のあったボスニアやグアテマラのハーブティ、またスリランカ仕込みのスパイスティなどを楽しんできましたが、これに和漢の薬草茶が加わります。

日本酒講座

宇陀松山に300年続く久保酒造11代目当主久保順平氏の「人生完全

久保順平氏

発酵」と題した講座でした。御当主は銀行員としてのキャリアを持ちロンドンのシティでも仕事をしていた金融通。日本の経済政策などへの批判も含め、面白い講座でした。でも内容の多くは酒造蔵を案内しての清酒つくりの説明で、日本酒教室を開

催する塾長としてはとても面白いもので、さっそく名刺を交換して、コロナ後の日本酒講座の講師依頼をしてしまいました。

酒蔵案内解説

久保酒造の蔵で注目すべき酒の一つ目は「生酛のどぶ」。いわゆる濁り酒です。「どぶろ

く」であれば酒税法上税率が高くなるので税務署から睨まれましたが、あくまで清酒で通しているようです。もう一つは熟成酒。久保社長の講座の会場が久保酒造の建物だったので、私も早速清酒を一本買い求めました。その名も「熟成 生酛 睡龍 長期熟成酒 平成25年」。2013BY (bruewing Year)なので9年熟成ものになります。四合瓶で1800円。ラベルは睡龍がボトルをぐるぐる巻きにしてお昼寝中の姿を写したイメージです。

熟成酒生酛睡龍9年モノ

酒の4分類として薫【くんしゅ】、爽酒【そうしゅ】、醇酒【じゅんしゅ】、熟【じゅくしゅ】というのがあります。日本酒講座の教材としては揃えておきたいものですが、このうちの熟酒というのが中々ありません。長年貯蔵するのでお値段も張ります。しかし久保酒造で熟成酒を売っているとは知らなかったなあ。久保酒造の仕込み水は宇陀山系の中硬水。辛口の酒つくりに向いているそうです。

この9年物の熟成酒、早速いただきました。うーむ。酒を注いだガラスコップを光にかざしてみれば、お酒の色は薄い黄金色。2012BY の同商品のデータでは、

薄い黄金色の熟成酒

原料酒:山田錦 秋津穂
精米歩合:65%
日本酒度:9.5%
酸度:1.7
アルコール度数・15~16% となっています。

少しお燗をして飲んでみました。酒器から立ち上る香りは甘さを抜いた紹興酒といった感じ。口にふくんでみると味は複雑。剛柔でいうと「剛」の酒。口当たりはきつ目、アルコールがドシッときます。辛口のシェリー酒(スペインのアルコール添加ワイン)のイメージ。返り香も男らしくフルーティーな吟醸香はありません。料理だと油物や味の濃いものにも負けないでしょう。

料理はチキンステーキ

今日の食事で合わせた料理は鳥の照り焼き。甘さは健康に悪いので砂糖は極少量の醤油たれに数日つけたものを焼きました。グリルで焼いた辛みタレのチキンステーキ。かなり油も出ています。お口直しのスープはワカメの鳥スープ。そして酒との相性は?? うーむ、チキンはチキンで美味しいし、酒は酒で美味しい。お互い邪魔してない感じですね。脂っこくて味の濃い鳥皮を口に入れた後に飲んでも辛口の睡龍はの味ははっきり感じます。でも白身の焼魚を吟醸酒でいただいたようなハーモニーを奏でてはくれません。この酒のあるうちにカレーや麻婆豆腐など味の濃いものを試してみましょうか。塾長は料理に酒を合わせる時は日本食には清酒。西洋食とアジア食(インド、中国)には赤ワインを合わせます。さて軍配はどちらに上がるか、楽しみです。

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