大和まちなみ文化塾が大和茶ワークショップを開催
2020年10月に大和茶に関する勉強会、ほうじ茶ワークショップを開催しました。場所は橿原市今井町の築200年の古民家ギャラリー「にぎわい邸」です。格子戸の外観は静かな佇まいですが、内部はモダンとすら感じる交流スペースです。オーナーの田原さんにはコロナ対策として密にならないように工夫していただきテーブルを三カ所設定、老若男女13人の参加者がワークショップを楽しみました。
大和茶ワークショップ開催の目的
勉強会の最初に塾長からの趣旨説明がありました。今回の勉強会は大和茶の楽しみ方を広げてくれる人材の育成。13名の勉強会卒業生は今後自宅で大和茶を楽しみ、知人友人にも教えてあげ、今後のワークショップでは教える側になることが期待されています。参加無料と言うのも大和茶という文化財を活用するための人材育成という位置づけに文化庁の助成があるからです。
焙じ茶ワークショップの内容とお道具
さて、今回の勉強会では緑茶を各自が焙じて「ほうじ茶」をつくり、焙じ方の浅い、深いの違いを味わい、さらにお茶菓子(餡入り焼餅、せんべい、チョコレート)との相性を自分の舌で確認しました。準備するものはガスコンロ、焙烙(ほうろく)、手袋、緑茶、金属トレイ、湯沸かし、急須、湯飲みなどです。
先生は嘉兵衛本舗の由佳さん、知佳さん
今回の講師は大淀町の茶農家「嘉兵衛本舗」三姉妹の次女由佳さん。これまで何度もワークショップを開催してきたお茶のエキスパートです。長女の知佳さんはワークショップの指導に当たっていただきました。焙じ茶作業の前の講義では、大和茶の知識はもちろんワークショップを開催する際のマーケティングを含めた考え方を説明いただきました。
ほうじ茶っていいところがいっぱい
いよいよ焙烙に茶葉をいれて焙煎を始めます。茶葉に含まれる水分を追い出すことで何が起こるのでしょう? まず焙じることで香ばしい焙煎香が楽しめます。またカテキンが減るためお茶の渋みを感じにくくなる一方、テアニンによるリラックス効果は残るようです。さらに茶葉の中のカフェインが減少するので、妊産婦、子供にも飲めますし、寝る前に飲んでも睡眠を邪魔することが少なくなります。
焙じ方は直火の遠火
焙じる作業が始まって少しすると、7つの卓上コンロのあちこちから歓声が上がります。焙じて少しして最初に細く白い煙が出てきて、あたりに香ばしい焙煎香が広がります。参加者は予め役割分担をして浅煎り、中煎り、深煎りの三通りに焙じ分けます。浅煎りならほんの数分で出来ますが、深煎りだと腕がだるくなるほど回さなければいけません。涼しい秋でも汗をかいてしまいます。
浅煎り、中煎り、深煎りのほうじ茶と茶菓子の相性は?
いよいよお楽しみのほうじ茶の試飲です。最初は浅煎りのほうじ茶。緑茶とほうじ茶の間の味と香り。餡入りの餅との相性がいいようです。中煎りは香りも水色もしっかりほうじ茶になっていてチョコレートでも行けそうです。深煎りはほうじ茶の香りも楽しくチョコレートとの相性バッチリです。講師の由佳さんはシュークリームにも合うと言ってましたが、是非今度試してみます。
一連の勉強会と文化庁の助成
今回の勉強会は文化庁の「地域文化財総合活用推進事業」として支援を受けています。大和まちなみ文化塾としては「奈良県の食と暮らしにかかわる生活文化の解説者人材育成事業(2020年度)」と位置づけて、10月までに九つの勉強会を実施しました。
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