歴史の町並み今井町の称念寺には「いちょう会」という茶の湯グループがあって、年に数回茶会を開きます。2019年3月31日(日)の茶会に行ってみました。
はからずも正客になったのですが、正客の楽しみは「質問して解説を受け取ること」。このやり取りを通して亭主のおもてなしを満喫するという一種のゲームです。
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次の茶会が始まるまで、客が待機する待合には桜の生け花、清水公照師の軸「花御堂」に泥人形。茶会への期待を高めてくれます。
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待合には茶会記を置いてくれてました。これはリストのようなもので、詳しい解説は正客が亭主との会話で引き出すお約束です。
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席入りして最初に拝見するのが床の間のお軸です。今日の茶会のテーマとも言えます。読めなくてもノープロブレム。亭主に聞けはいいだけのこと。今日のお軸は「花開く時蝶来たる」。今の季節の自然の摂理を言ったものでしょう。花も喜び、ちょうちょも喜び、人間も喜ぶ。
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最初のお点前が始まると、その所作を見て楽しみます。そのあと正客の質問は水、抹茶、着物、あらゆる茶の湯道具に及びます。
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主茶碗は 清水公照氏の絵付け。水差しはパンプキン型で銘「大福」。風呂先屏風は十六羅漢図。棗茶器はラオスの薬器。茶杓は南天を狭川宗玄師が削ったレアもの。香合は大仏殿の古材。帯の柄にも話題を移し、解説を受けて満足至極。
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でもね正客は解説を引き出すアナウンサーの役目。野球や相撲の開設者の横に座って、解説者に質問しているアナウンサーが居るでしょう。あれと正客は同じなんです。連客さんたちが聞きたがっている質問をして、自分が楽しんでいるような素振りで連客さんたちを楽しませる。
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つまるところ、茶会の値打ちは解説ですね。亭主が如何に心を配って場所をしつらえ、お道具を選び、趣向を整えておもてなししてくれているのかを語る、それを楽しむ。でも亭主が一人で話すと押し付けになるので、正客が知らないふりをして質問し、解説を聞いて「ああ、そこまで考えていただいたのか。」と連客ともども感謝しながら一時を過ごすわけです。
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