(写真1)稲荷信仰の中心、京都の伏見稲荷社
写真提供:京都フリー写真素材 (https://photo53.com/)
初午の旗飴(はたあめ)と聞いても何のことかわかる人は少ないでしょう。これは中和(奈良県の中部地域)の伝統で、毎年2月の初午の日にお稲荷さまに旗飴というお菓子をお供えし、それを子供たちにあげるというものです。
昔のカレンダーには日毎に子、丑、寅、卯、、、の名前がついていました。十二支ですね。ひと月は30日だから順番に十二支の名前を付けて行けば、一か月で2回半ほどめぐることになります。例えば1日が午(うま)の日だと、13日と25日が午の日で、その月は午の日が3回です。2月の初午の日はお稲荷様の誕生日なんだそうです。正確には伏見に鎮座された日だとか。2020年の初午は旧暦の2月10日。これは新暦に直すと3月4日(水)になります。
(写真2)懐かしい旗飴(のぼり飴と呼ぶ地域もあります)
ちなみに江戸、東京では酉の日が有名です。私のいた新宿区では花園神社で11月の酉の日に大きな縁日が立ちました。縁起物の熊手を買うので有名です。関西でいえば恵比寿さんの笹にあたるのでしょうか。
中和には稲荷神社がたくさんあります。また商家などにもよくお祀りされています。昭和の時代には多くの商家が旗飴をお稲荷様にお供えしてました。それを小学校から下校する子供たちがもらいに回ったものです。「おばちゃーん、飴ちょうだい。」という具合です。うまくできてるのは小学校は学年が上がると下校時間が遅くなることです。つまり1年生、2年生がまず町内を回って飴をもらえるというわけです。5年生6年生の時には、もらえなくなると困るので、情報交換しながら走って回った覚えがあります。「あそこのお店ならま旗飴が残ってるぞ!」という情報は子供には貴重なものでした。
(写真3)三輪成願稲荷神社初午の神事 (大神神社ホームページより)
残念なことにこの旗飴、平成28年を最後にもう奈良県内では作っていないようです。が、しかし今年ももらえる場所が一つだけあります。それは大神神社の摂社である「三輪成願稲荷神社(〒633-0001 奈良県桜井市大字三輪290−3)です。この神社のことは下のブログに詳しいです。
https://kansaiotera.com/narajinjya/sakurai/inarijinja
お祀りは2020年3月4日(水)朝の11時に開始されます。神事の後、参拝者は旗飴をもらえます。もう奈良県では作っていないので京都に特別注文している旗飴です。この旗飴の伝統、何とか復活できないものでしょうかね。
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